2011年8月9日火曜日

HDMFメールマガジン第2号

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経営×デザイン=地域産業の未来を創る!

北海道デザインマネジメントフォーラム(HDMF)
メールマガジン                  
                       Vol.2 2011.2.14

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★☆ HDMFメールマガジン創刊第2号!! ☆★

━【目 次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【1】ワークショップ報告
   ◇12/21「講演DVD視聴を交えた振り返りワークショップ」
    の開催結果を紹介します!
     
【2】デザインマネジメントコラム 
   ◇「付加価値、基本価値」デザインによる2つの価値創造!

【3】デザイン関連の各種イベント・セミナー
   
【編集後記】

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【1】ワークショップ報告
   ◇12/21「講演DVD視聴を交えた振り返りワークショップ」!
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昨年12月21日(火)、
札幌市立大学サテライトキャンパスを会場に、
初めての「振り返りワークショップ」を開催しました。

参加者は、11名。
年末の多忙な時期もあり、
予定していた20名には届きませんでしたが、
少数による大変充実したものとなりました。

ワークショップでは、
一昨年11月に(株)インフィールドデザインの佐々木仰 様をお招きし、
大変好評だった講演会「製品・サービスづくりを革新させる
エクスペリエンス(体験)デザインとは!」を記録したDVD視聴と
2グループに分かれてのディスカッションを行いました。


ゲスト講演の映像を視聴しながらディスカッションを行うという、
初めての試みでしたが、
参加した皆様からは、…

「佐々木さんのDVDをセッションごとに切り、
テーブルミーティングが出来たことがすごい良かったです。
皆の意見、参考になりました。」

「1つのテーマを基に(セッションごとに)仕事の経験を通じて
話せる場はとても面白かった。」

など、高評価の感想が聞かれました。

参加した皆様にとっては、講演内容を話題に
自らの経験に基づく意見を、お互いに交換することで、
より理解を深め、更に新たな気づきを得る
貴重な機会となったようです。

今後、講演会プログラムを企画する際には、
ゲストによる講演を聴くだけではなく、
会員(参加者)同士での意見交換も行うという形式を、
HDMFスタイルとして確立していきたいと考えています。

今回は参加できなかった皆様、
次回は是非、御都合の許す限り参加してみてください。

(HDMF事務局 佐藤裕一)

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【2】デザインマネジメントコラム
  ◇「付加価値、基本価値」デザインによる2つの価値創造!
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本メルマガでは、
HDMF役員メンバーが持ち回りで、
デザインマネジメント関連の話題をコラム発信します。

今回は、デザインを取り上げた
あるネット番組の内容を題材に、
「付加価値」を生むデザイン活用と
「新しい基本価値」を生むデザイン活用を
考えてみたいと思います。

「デザインで変えるものづくり」
http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/shincyouryu/post_321.html


この番組では、海外輸出を念頭においた
2つのデザイン活用事例を取り上げています。
ひとつは、伝統工芸品である南部鉄器。
もう一つは、産業機械であるフォークリフト。

前者(鉄器)で語られている「デザイン」は、
ヨーロッパのユーザー嗜好や生活スタイルに合わせるため
見た目を変えた「視覚的な差異化」のデザイン。
キッチン用品としての基本的価値は従来品と同じ。
違いは、消費者嗜好にマッチし、購入を喚起する見た目。
これは「付加価値を生む」デザインです。

一方、後者(産業機器)で語られているデザインは、
製品の使いやすさを革新させるもの。
フィンランドのロックラー社が開発したフォークリフトは、
指先だけで作業機の操作をする
フィンガーチップコントロールを採用。
このゲーム機のようなコントローラーが
最大の特徴となっています。
操作デバイスのあり方を革新させながら、
次世代の新しいフォークリフト像を提案し、商品化。
これは「新しい基本価値を生み出す」デザインです。

端的に申しますと、

前者のデザインは、
成熟し日用品と化した商品カテゴリーにおいて、
見た目の差異を武器にビジネス効果をねらったデザイン活用。
この場合、優れた基本価値が伴わなければ、
いずれは飽きられ、新たな取り組みが必要になります。
南部鉄で製造したフライパンや鍋などは、
調理道具としての基本価値「保温性が高く温度ムラが少なく、
おいしく仕上がる」こうした特色があります。
あとは、基本価値を活かす付加価値の創出にかかっている
と言えます。

後者は、従来の基本価値を革新させ、
新ジャンルや新製品像を生み出すデザイン活用。
これは、イノベーション(顧客価値の革新)を
誘発するデザインです。

もちろん、それぞれのデザイン活用効果には、
商品等が置かれている状況により一長一短があります。
今日重要視されているのは、
デザインがもたらすビジネス効果の全体像を認識した上で、
いかに戦略的に活用するかです。


後者のデザイン活用事例のように、製品の開発初期から
適切なデザイナーを参画させる。
デザイナーは、顧客目線を持った客観的立場として
企業内人材と「恊働」し、知の共創を促進させます。
こうした取り組みを通じて、
「デザイン思考を活用したイノベーション体質」を
組織に根付かせる。

これからの中小企業においても、
こうしたデザイン活用が
重要な戦略の一つとなりつつあります。

そのためのノウハウ獲得と情報発信、
HDMFにおける重要な役割と思っています。

(HDMF副会長 高橋尚基)

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【3】デザイン関連の各種イベント・セミナー
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キッズデザインシンポジウム
「キッズデザインの新たな可能性~子ども基準による社会変革を目指して~」

日 時:平成23年2月15日(火) 14:00~17:00
会 場:六本木ヒルズ森タワー40階 アカデミーヒルズ キャラントD

詳しくは http://www.kd-wa-meti.com/news.html

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【編集後記】
皆さんこんにちは。
創刊第2号の編集を担当したHDMF理事の及川です。
新年が明け、早1ヶ月がたちました。
いかがお過ごしでしょうか。
世の中は、様々な問題が噴出していますね。
ネットワーク社会が、我々の意識と行動に影響を与え、
大きな社会的変化が生じそうです。

今回は、初めてオープン開催した
「振り替えりワークショップ」を紹介しました。
少人数でしたが、各テーブルでは、
大変充実した意見交換が、和気藹々となされていました。
この方法は、いける! そう実感しました。
この良さを、開催案内時点でどう皆さんに
アナウンスし、参加者を増やすか。
次回に向けた課題です。

また、コラムで取り上げた「付加価値と基本価値」
デザインの役割を捉える上で、大変重要な概念です。
この話題をきっかっけに、
デザインの役割とビジネス効果を再考してみてください。

メルマガについては、会員の皆様のご要望を受け止め、
ご愛顧いただける情報発信を目指します。

ぜひ、忌憚のないご意見・ご感想をお寄せください!

(HDMF理事 及川雅稔)